タロットは15世紀前半の北イタリアで誕生しましたが、当初は占いではなく貴族のカードゲームでした。「タロッキ(Tarocchi)」「タロッコ(Tarocco)」と呼ばれ、現代のトランプのように家族や仲間で遊ぶ娯楽だったのです。最古の現存例は、1440年代にミラノ公国で制作された「ヴィスコンティ・スフォルツァ・タロット」です。
現代のタロットは、22枚の「大アルカナ」と56枚の「小アルカナ」を合わせた計78枚で構成されます。「大アルカナ」は「愚者(0)」から「世界(21)」までで、人生の大きな出来事や深層的なテーマを表し、占いの中心となります。「小アルカナ」は4つのスート(剣・棒・聖杯・金貨)に分かれていて、日常的な事柄を扱います。
タロットが占いの道具として使われ始めたのは18世紀後半のフランスです。アントワーヌ・コール・ド・ジェブランという神秘主義者が、「タロットには古代エジプトの失われた叡智が秘められている」と主張し、ブームを巻き起こしました(現代の研究ではこの説は否定されています)。19世紀末には英国の魔術結社「黄金の夜明け団」がタロットをカバラなどの神秘思想と体系的に結びつけました。
1909年、黄金の夜明け団のメンバーアーサー・エドワード・ウェイトと画家パメラ・コールマン・スミスが「ライダー・ウェイト・タロット」を発表。すべての78枚に絵入りのシンボルを描いた革新的なデザインで、現在も世界で最も普及しているタロットデッキです。
大アルカナは「愚者の旅」と呼ばれる
大アルカナを0番(愚者)から21番(世界)まで順に並べると、無垢な「愚者」が様々な出会いや試練を経て成熟し、最後に「世界」=完成に至るという、一つの物語のように読み解けます。これは「愚者の旅(Fool's Journey)」と呼ばれ、人生そのものや魂の成長の象徴として解釈されています。
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